9年前の丁度今頃、私は來たるべき一人暮らしの日々に備えて色々に家電を賈い揃えておりました。
そこで一つ氣を配っていた事がありました。それがこの表題の件であります。
出來る事はより多く
豫算も限られており決して贅澤が出來なかったのですが、その中でもなるべく機能の多い物を選んでおりました。
出來ると云う事はそれだけで暮らしの巾も廣がっていくものだと思います。
特に今日では物価の高騰等、色々なところで暮らしに制限のかかりつゝある世の中でありますので、いつどうなるか判らないと言っても過言ではない様に思えます。
色々な事が有るであろう一人暮らし。いざと云う時に出來る事が多いに越した事は無いと思うのです。
勿論、それにこだわればその価格も天井知らずになります。
或る程度の妥協は當然の事でありますが「あと一息頑張れば出せる豫算」はここで使うべきだと思っておりました。
この場で豫算を切り詰めるのは易い事でありますが、その時点で新生活の巾は狭められる事を意味するのではなかろうかと存じます。
今ここで幾らかの違いでそのお金を残す代わりに今後の生活の可能性を犠牲にするのを良しとするか否かの判断は非常に難しいところでありますが、この節約をせねば新生活に壊滅的な支障をきたすのでなければ、なるべく諦めたくないと云うのが私の考え方でした。
諦めなくてよかった生活の樂しみ
多少の出費を余儀なくされた代わりに多くの樂しみを得られたと思えばその分の元は充分に取ったものだと思っております。
例えば簡單な例では冷凍庫の附いた冷蔵庫を賈うと云う点であります。
冷蔵庫だけの物はそれに比べれば格段に安いのでありますが、やはり長い目で見れば冷凍庫があった方が便利ですし、實生活に於いて冷凍食品やアイス、氷等を食べられる点はとても大きいのです。
この「長い目で見る」と云う事がどれほど大事な事か改めてこの文明の利器を見るにつけ思うのであります。
電子レンヂもオーブンの附いていない品物の方がずっと安上がりですが、いざこれが使えると樂しいものです。
トーストが出來るのは勿論ですが、時としてこう云う物を作れるのが良いものです。
これは何年か前にオーブンで作った原始肉です。
何かと気儘な一人暮らし。毎日は使わない機能でも時としてこう云う樂しみが出來るのはとても重要です。
思い出の原始肉 - 一人を楽しむブログ (hatenablog.com)
↑この原始肉についての詳しくはこちら
また、かの有名な漫画映画に出てくる「カボチャとニシンのパイ」なんかも意外と簡單に作れますし、やってみると面白いものです。
こうした樂しみは生活に花を添えますし、これこそが一人暮らしの醍醐味でもあります。
↑このパイについての詳しくはこちら
また、温野菜の機能等はこうした料理をより簡單に作れる様になりますし熱燗やホットミルクなんかを作る際も便利です。
日々、料理をする身の上としては小さい様で意外と大きな部分なのです。
そして私の最もお氣に入りがこれです。
何やらお札が附いているのを氣にしてはいけない。
この炊飯器、パンに温泉卵に豆腐迄作れる優れものです。
これらの物が自分で作れると云うのは重寶なものです。
兎角單調になりがちな一人暮らしでも、時にこうしたメリハリがつくと樂しいものです。
この樂しさを享受出來るか否かが樂しい毎日か否か、強いて言えば日々の幸福の身近な分岐点ではなかろうかと存じます。
尚、このパンは最終的にこうなりました…。
炊飯器の釜の大きさですので、それなりに食べ應えがありました。
こうした遊び心も「出來る」と云うところから始まるのかもしれません。
「賈ヒ占メ」ニモ負ケズ「パンデミック」ニモ負ケズ - 一人を楽しむブログ (hatenablog.com)
↑このお釜で作るパンについての詳しくはこちら
温泉卵がいつでも簡單に食べられると云うのはありがたいものです。
一度作っておけば数日は冷蔵庫で取っておけます。
温泉旅行に行った際の旅館の朝食を思い浮かべて出してみるとなかなか良いものです。
いつの日かまた卵の價段が安定したらやろうと思います。
豆腐も最早自作する時代かもしれません。
材料さえ有ればいつでも作れると云うのが嬉しいところです。
初期費用はかかりますが、自作した方が結果的に出費も抑えられる点も侮れません。
大豆の風味が濃厚な一品が出來ました。
一寸した一品に最適です。
これは数年前の夏の様子でありますが、機能が有れば炊飯器一つでも料理の可能性はそれ以上に大きくなります。
基本的にお釜に入れておくだけで出來るので樂なものです。
出來るって凄い!
何事も出來てこそ樂しめるものがあるのではなかろうかと存じます。
一時の出費を抑える代わりにこれら樂しみの可能性を犠牲にするのは余りにも勿軆無いと思うのであります。
その時は使うつもりの無い機能でも全くこの先全然お世話にならないとも断言出來ない限りは「長い目で見る」と云う事を思い出してみると良いかもしれません。
日々を過ごしていると色々な事に挑戰してみたくなるものです。
それはとても素晴らしい事なのですから、その可能性を大いに開花させるのが「幸せなお一人様」だと思うのです。
今日の社會が貧しくなったとの印象を方々で受けますが、こうした事を忘れてしまったのも一因ではないでしょうか。
今の日本人は安ければどんな粗惡品にも飛びつく惡しき習性が目立つ様になりましたが、ほんの少し頑張れば出せる豫算を輕んずべからずと云う事を今一度思い返してみても宜しいのではなかろうかと存じます。
その幾らか多い出費が致命的でない以上、それによって得られるものは意外にも大きいものかもしれないのです。