今日6月15日は國民的に有名な、かの剛田武氏の誕生日と云う事になっております。
そこで私も彼に倣い、少し自由奔放に料理なぞ作ってみました。
かの有名な彼も過去にシチューを作っていましたが、その特徴として「何でも入れる」と云う事が挙げられます。
私もよくラーメン屋等に出掛けると机の上に置いてあるお酢やらラー油やら胡椒やらを片っ端から入れる人なのです。
そんな所謂「チョイ足し」と呼ばれる行為が實は自作料理の原点ではなかろうかと思っているのであります。
それは何かを少しずつ加えるところから始まる
今でこそ自分なりに工夫して色々な献立を作れる様になりましたが、やはり料理の勝手を知る迄はそれなりに苦労しました。
そんな中で謂わば既製品とも呼べる「他からの作り方を眞似る」事から脱却する第一歩として何か調味料乃至素材を適宜加えてみると云う事が獨自の料理や味附けを覺えていく事に繋がっているのだと思いました。
簡單に申せば「納豆に何を入れるか」と云う事を考えてみると解り易いのではなかろうかと存じます。
私はタレにからしにネギに青のりなのですが、中にはちりめんじゃこ、梅肉、果てはおろしワサビ等人それぞれに特徴があります。
それと「チョイ足し」から始まる自分の料理とは似ているものがあるのだと思うのであります。
ただ闇雲に何でも入れゝば良いと云うものでもないのですが、何かの「お題」に則った材料を加えてみると面白く味もそこまで逸脱しないのだと思っております。
例えば辛味を強くしてみる事や特定の肉や野菜を増量させてみる等が簡單で且つ手輕なところではないでしょうか。
そこで私は出來合いのラーメンに「精の附く物」を加えていく事を始めてみました。
根底に在ったのは『加トちゃんケンちゃん』
その昔、私が御幼少の頃に『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』と云う番組が放送していて私も例に漏れず毎週樂しみに視聴しておりました。
今でも實家にはその時の生き残りのビデオテープが幾つか有るのですが、その番組のコントで加藤茶さんと志村けんさんのお二人がゲストの俳優と一緒にラーメン屋をやっている話で新しいメニューとして色々な漢方藥をラーメンに入れていくと云った内容のものがありました。
今観ると非常に滑稽な内容なのですが、幼い私にはこうして色々な材料を鍋に放り込んで煮込んでいる場面がとても面白そうに見えて不思議とそのゲテモノラーメンが美味しそうに感じられたのをよく憶えております。
今回作った「ビンビンラーメン」もその時のワクワクした感じが時を越えて顕れたのではないかと思います。
作り方
これと云って特殊な事はしておりません。
基本的には市販のラーメンに何か自分なりに「トッピング」を施せば完成です。
『ドラえもん』に因んだ話題に『ちびまる子ちゃん』が出てきてしまい何とも恐縮でございますが、このラーメンが手輕に出來てやり易いのです。
とりあえずパッケーヂに書いてある通りに普通に麺を茹でて附属のスープを用意します。
さて、お樂しみはこゝからです。
この謂わば「プレーンラーメン」と呼ぶべき物に手を加えていきます。
まずは山芋を短冊状に切って天麩羅にします。
普段は擦りおろしてとろろにするところでありますが、こうして天麩羅を作るのは久しぶりです。山芋の天麩羅はホクホクとしていて美味しいのです。
その他の具として豚バラ肉を油で焼いた物、ほうれん草を加えます。
一方、スープの方には擦りおろしたニンニクを普段より増して入れていきます。
巧いラーメンの決め手はつゆにあるとか言いますが、その通りなのです。
自分の獨自性を出すにはつゆを工夫しなければなりますまい。
そこでラーメンのスープにこの様な物を加えていきます。
更にこの粉末も加えていきます。
そしてこのお手製の人參酒を加えます。
人參と言っても所謂「キャロット」ではなく「藥用」の方であります。
近所の漢方藥屋で根っこを賈って密かに焼酎に2年程漬けていたのです。
そんな色々と「パワフルでエナジーなブツ」がふんだんに入ったスープはよく混ぜて煮込んでおきます。
中々「豪儀な」香りが臺所に広がります。
意外と具が多くなってしまったので上手く盛り附けが出來ませなんだが、とりあえず完成です。
味は漢方藥の獨特な風味がしますが、これはこれで美味しいものです。
ただ、食べていると汗が滝の様に流れてきます。
これはラーメンが熱いからではなく明らかに藥効に因るものだと思います。
いや、まさしく「スタミナ満点」なのであります。
尚、先程の料理に使った人參酒はこの様にハチミツを入れて呑むと良いのです。
折角なのでラーメンのお供に致します。
始めよう。自分の料理
今日、誕生日を迎える彼も非常に常識外れで滅茶苦茶な材料を使っていましたが根にあるものは同じ様な氣が致します。
料理を樂しむのはまずこんなところからではなかろうかと存じます。
こうしてコツを少しずつ掴んでいくと毎日の料理も樂しくなってきます。
そうなればもうしめたものです。
ニンニクが相當効いているので周りの人のご迷惑にならぬ様に致しましょう…。
ジャイアンはたてかべさん。私の中にはいつまでも生き續けています。
今のドラえもんがどうしても好きになれないのは昔があまりにも樂しかったから。
私の大好きだったドラえもんは私がもう大人になったので、ずっと前に役目を終えて遠い遠い未來の世界へ帰ってしまったのです。
でもあの時の想い出が、画面越しに一緒に遊んだあの仲間達が今でも私の生きる力になっているのだと思っております。
どうも失礼しました。