一人を楽しむブログ

孤独ならぬ御一人様を愉しむ為の備忘録。

戰國時代の陣中食「変わり味噌玉」

お題「簡単レシピ」

お題「手作りしました」

お題「昨日食べたもの」

 

毎日の食事、いつもいつも手の込んだ料理を作ると云うのは難儀であります。

時には樂をしたいものです。

かと言ってファストフードやコンビニ辯當、或いは惣菜にばかり頼るのも軆に宜しくありません。

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樂をするのも程々に…。

そこで頼りになるのが保存食であります。

長持ちする物を常時備蓄しておく事はとても大事なのだと思います。

賈うだけでなく、作って取っておくと云う事

保存食の筆頭と呼んで良い存在に缶詰がございます。

これはとても便利です。

單に食べるだけでなく料理の材料としても使え、酒の肴にもなります。

私も常時数種類の缶詰を所持しているのでありますが、色々な缶詰を揃えると面白いものです。

しかしこれだけで御仕舞だと、いさゝか飽きも訪れます。

 

そこで今回は遠い昔、戰國時代の陣中食に一人を愉しむヒントを探ってみようと思います。

戰國時代の生み出したインスタント味噌汁

それがこの「変わり味噌玉」であります。

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文字通り味噌の玉です。

地域によっては「変わり玉」或いは單に「味噌玉」と呼ばれております。

これはちゃんとした食事の採れない野戰時の携行食として考案された物で、イマドキの言葉で言うならば「レーション」の一部の様な物であります。

 

文献に載っていた作り方を基に少々工夫を凝らして作ってみました。

変わり味噌玉の作り方

材料

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乾燥野菜は勿論安心の國産品!

味噌

だしの素

乾燥野菜

分量は普段の味噌汁と同じ位です。

複数個作る場合はその分量を倍加させます。

尚、乾燥野菜は乾物であれば何でも結構なので野菜ではなくワカメや高野豆腐の様な物等、各人工夫してみると面白いかと存じます。

 

工程

材料を全部混ぜ合わせます。

目安としては混ぜ合わせる時に「シャリシャリ」と乾燥野菜の擦れる音がする位が丁度良いかと存じますが、その辺はお好みで各人調整されると宜しいかと存じます。

材料はムラにならず満遍無く混ぜるのがコツです。

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ボウルに開けて混ぜ合わせる之圖

そして卓球球位の大きさに丸めます。

お椀に入れてお湯で溶かした時にこの位の大きさが丁度良い加減の一人分の味噌汁になるのです。

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寫眞右下のやつが顔に見えるのを氣にしてはいけない!

最後にグリル等で表面を焼きます。

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表面全てに焼き色を附けます。

グリルが無ければフライパン等の上で轉がしながら焼く方法も有ります。

これは古い書物でも保存性と携行性を向上させる為に味噌の表面を焼くとありました。

 

匂いが他に附き難くする。

味噌がベタ附かない様にする。

少々の水氣がかかっても味噌が溶け出さない様にする。

 

焼きを附けておけばこうした利点が有ります。

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あまり焦げ附かせない様に氣を附けます。

これで完成であります。

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これぞ文明の利器

昔は藁等に包んで携行・保存した様ですが、今ではこの通り科學の進歩が作り出した「ラップ」と「プラ容器」に依って容易に保存が出來ます。

勿論、冷蔵庫に入れておけば尚結構です。

色々に食べ方有り、面白き物なり。

早いハナシ、味噌に少々の味附けをして日持ちする具材と共に丸めただけの物ですが、これが中々愉しめます。

食べ方も幾つか有り、工夫次第では料理の可能性が廣がります。

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お湯に溶かすだけで味噌汁に。

まずはお湯に溶かして味噌汁にして戴きます。

市販のインスタント味噌汁と違って保存料等の添加物は有りません。

乾燥野菜が入っており、中々にしてオツな物であります。

 

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ご飯に混ぜても良い物です。

お湯に溶かさずほぐしてご飯に混ぜて食べるとまた美味しい物であります。

表面を焼いているので味噌の香ばしさが増しています。これだけでご飯が進むのです。

 

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酒の肴に…。

勿論、そのまゝ食べても充分です。

酒によく合います。

また、疲れた時にひとかじりすると塩分の効果で少々の疲勞も吹き飛びます。

昔の知恵には愉しみがいっぱい!

味噌は古くからの食材であり、蛋白質を始めとした栄養素も備わっています。

何かと忙しい時にこうした物は非常に重寶するのであります。

尚、これは戰國時代の將兵だけでなく、所謂「忍びの者」も長期潜伏時の非常食として持ち歩いていたとの記述もございます。

廣い意味で言うトコロの「兵糧丸」の一種と見る事も出來ます。

 

こうした知恵が現代社會を生きる上で大いに役に立つのと同時に無味乾燥としがちな場面に一輪の花を添えるのではないでしょうか。

どうせ手を抜いた食事を用意するならば愉しんで食べたいものでございます。

こう云う物を豫め用意しておくと面白いのです。

まさしく慌ただしき現代に於ける「陣中食」と云えるのであります。