私の部屋は平凡な6畳間。
そこに色々と物を置いて生活してゐる訳でありますが、一つの部屋になにやらゴチャゴチャと物を置くと却って鬱陶しくなります。
お部屋にはそれなりにメリハリを持たせたいものです。
そこで便利な調度品がこちら
これは枕屏風と云って江戸時代の長屋に住んでいた庶民にはお馴染みの調度品です。
この様に小さな屏風の様な物でございます。
當然こんな物が市販されている訳ないので材料を賈って自作するのであります。
簡單便利な簡易パーテーション
造り方は至って簡單であります。
ホームセンター等で賣っているコルクボードを2枚ガムテープで繋げるだけです。
コルクボードはお部屋の廣さを鑑みて適當な寸法の物を選ぶのでありますが、なるべく大きい物が實用的であります。
ガムテープは強度を考えるに布テープが宜しかろうかと存じます。
画像の如く折れる様に表と裏に貼附して2枚のコルクボードを連結します。
コルクボードの部分には好きな繪なり寫眞なりを貼り附けられます。
私は自分でしたためた書画を貼り附けました(笑)
たったこれだけの造作ですが、有ると色々に便利なのであります。
枕屏風活用法
普段はこの様に部屋の隅に立て掛けてあります。
私の部屋は今、フローリングの上にござが敷いてあるので、こうして畳面と板の間との間の間仕切りの様に使っております。
嘘の様ですが、たったこれだけの事が意外と効果的である様でこの屏風で区切られた畳の部分が小綺麗に見えるのです。
この様に廣げると衝立の様になり、部屋を簡易的に仕切る事が出來ます。
特にワンルームのお部屋の場合、こうして部屋を区切る事で何かと利便性が高まる事が有ります。
状況に合わせて移動したり撤去したり、或いはL字型に形状を変えたりして好みの区切りを附ける事が出來ます。
この様にL字型にして囲うと結構集中出來るものであります。
昨今の傳染病に因り、在宅でのお仕事をする際にこうして机を囲うと周囲を氣にせずに作業が捗ります。
使わない時はこの様に畳んでしまえば嵩張りません。
物陰の隙間にでも立て掛けて置けます。
この様に枕元に立ててもお洒落な調度品です。
そしてこの調度品の最も機能するトコロとしてこの様な使い方があります。
これは部屋の隅で背を向けて立てるのでありまして、何やらコマゴマした物が置いてある場所に立て掛けると部屋がスッキリします。
意外にも「見えなくなる」と云うのは有用なものでありまして、物が置いてある所が隠れると落ち着くものでございます。
また、一つの空間の中に在る別の用途の空間との仕切り、これを廣義の意味で「結界」と云うのでありますが、その用途で用いると只の大部屋が一層機能的になります。
江戸時代に學ぶ生活の知恵
古來、日本家屋は襖や障子で仕切られ或いは衝立や屏風を立てる様に「結界」が存在するのであります。
そしてそれは現代に於いても大きな意味を持っているのではなかろうかと存じます。
この6畳間に於いても仕切り一つでメリハリがつくものでございます。
この枕屏風でありますが先述の通り、江戸時代の狭い長屋住まいの町人にとって便利な物でございました。
當時の長屋には収納スペースなど無いに等しいので物を置いておく空間を確保する為にこの枕屏風が役に立っておりました。
實はこれは、と或る博物館で實物を見聞した際に閃いて造った品物でありますが、江戸の知恵は現代でも通用するものが多いのでございます。
私の部屋も決して廣い訳ではないので狭い家に住んでいた江戸の庶民の工夫を見習いたいところでありますが、それはまたいづれの機會にかその話を出來ればと存じます…。