狭い1K部屋の場合、油断しているとアッーっと言う間に部屋が散らかってしまうものです。
物が散乱していると云うのは短絡的に見ればとても便利なのでありますが長期的に見ると、やはり氣が滅入るものでありまして生活に於ける向上心が削がれる一因ともなるのであります。
何事も片付けと云うのは、いさゝか面倒なのでありまして次に使う際にいちいち取り出さなくてはならないと云うのもまた億劫なのであります。
そこでコツとしては「すぐに取り出せる場所に一時的にまとめて置いておく」と云うのが最良なのだと思います。
…とは申せ、それには置き場所を工夫しなければ意味が薄れてくるものですから、邪魔にならない所にその場所を設置すると云う事が肝要かと存じます。
つまり「しまっちゃう場所」を作る事から始まります。
そこで、以前記事に記した「江戸の長屋暮らし」をヒントにしてみましょう。
江戸時代に學ぶ暮らしの知恵 - 一人を楽しむブログ (hatenablog.com)
壁があったら棚を吊りたい
江戸の長屋住まいの町人は基本的に物を持たないと云うのが一般的でありまして、1K居室と同じ面積の6畳間でも比較的スッキリとした様子で暮らしておられました。
今日の所謂「ミニマリスト」と呼ばれるのと同じ考え方です。
この考え方は一人で暮らしていく上でとても有効な方法ですが、中にはそれが適せぬ方もいらっしゃいます。…私なんかがそうです。
それなりに物が増えてくる事もかなりの数で起こり得る事だと思います。
物が有ろうが無かろうが「自分の快適」を求めて暮らしていきたいものです。
さて、或る程度物が増えると限られた面積の中で最大限の収容力を生み出す方法を考えなくてはなりません。
そこで三次元的な視点に立ち、空間を圧縮利用する事が求められます。
先の「江戸の長屋暮らし」の記事にて申しました通り、収納には面積ではなく高さが重要になると考えております。
改めて江戸の長屋を見てみますと、それを巧く工夫しているのが解ります。
即ち「壁面」に注目するのです。
上の画像では解りにくいのですが、箪笥や物入の他に壁面には「棚」が吊ってあるのです。
これがヒントであります。
つまり、壁とは工夫次第で「収納」になるのであります。
賃貸部屋で棚を造る
持ち家や分譲マンションであれば棚を作る事は造作もありません。
今は便利な物が澤山賣っておりますので、壁に打ち附けるなり何なりして自由に作れば良いのです。
問題は「原状回復」が伴う賃貸部屋で行う際には少々勝手が異なる点であります。
なるべく部屋へのダメージを小さくして痕を残さない様にするには工夫が必要です。
つまり、いつかは撤去する事を前提に拵えなければなりません。
これは先に紹介した物ですが、こうして何らかの方法で取外しの出來る物を考えるのであります。
すのこの活用
こうした事に誠に便利なのが「すのこ」であります。
一般的には押し入れや水場、或いはベランダ等に敷く物でありますが、今日この「すのこ」を色々に工夫して使っていらっしゃる諸先輩方は大勢おられます。
そこから澤山のヒントを得る事が出來る事かと存じます。
すのこは100均ショップで小さな物が入手出來ますが或る程度の大きさを必要とする場合は、やはりホームセンター等で購入した方が安上がりです。
壁に掛けて使う場合はなるべく輕量の物を選ぶと良いでしょう。
まずは壁をこの様に叩いて音を確かめましょう。
ボードの入っていない箇所や間柱等が有ったりすると巧くいきません。
適當な壁が見つかりましたらこの様にフック鋲を取り附けます。
あまり針の穴が大きくならず、且つなるべく重量物に耐えられる物が宜しいでしょう。
シール式の物はクロスを傷めるので使いません。
そこへこの様にすのこを掛ければ半ば完成であります。
あとはフックなりカゴなり適當に収納用品を掛ければ良いのです。
こうしておけば退去の際の取外しも樂でありますし、壁面にはフック鋲の小さな痕しか残りません。
この方法を応用して色々造ってみるのであります。
脱衣所に有ると便利な小物置きであります。
以前「便所は癒しの空間」と云う記事にて造りました物も、こうしてすのこを利用しております。
便所で本を讀む事は或いは「お約束」なのです。
便所は癒しの空間 - 一人を楽しむブログ (hatenablog.com)
すのこの利点はワイヤーネットとは違い、すのこの木材を貫通しない程度の釘や木ネジを使って色々に造作を作る事が出來る点であります。
即ち、壁に直接打ち込めない物でも、すのこを謂わば「捨て貼り」とする事で使える様になるのです。
すのこはその見た目も惡くないので工夫次第で機能だけではないお洒落な良き収納インテリアともなりましょう。
ご參考迄に今回載せた調味料入れの概略圖であります。
L字金物と木ネジを使って棚板を固定していきます。
意外にも「針金に洗濯バサミ」が便利でありました。
洗濯バサミは木製の物を使うとよりお洒落かと存じます。
この通り、各人それぞれの工夫で可能性は無限大であります。
壁があればしまってみたい。
將來は優秀なしまっちゃうおじさんになりたいかも…と思う今日この頃でした。