先の記事にて色々に収納に關して書いてきましたが、一様に言える事は表題の如く「全ての場所は収納スペース」と云う事であります。
どんな場所も工夫次第で色々な物を置ける場所になり得るのであります。
江戸の町人も現代に比べて物が少ないと雖も、狭い長屋暮らしの中であらゆる場所に工夫して物を納めたからして限られた面積を最大限に活用してきたのであります。
然して今日、その創意工夫は如何にか參考にすべしと考えているものでございまして、今回はこの様に床と天井の間の空間を活用してみたのでありました。
即席ロフト製作
すだれの寸法が合っておらず、寫眞右部分が垂れているのを氣にしてはいけない…!
これは臺所の天井部分に近い箇所なのですが、何もしなければ只の何も無い空間に過ぎません。
そこでこの様に竹材とすだれを用いてロフトの如き物置を作ってみました。
何かと細々した物を置いておくのに便利なのであります。
勿論、それなりに高さがあるので下の通行には何ら支障がございません。
ロフト下部はこの様にフックやハンガーを掛ける事が出來るので一寸した物を引っ掛けたり干したりする際は便利であります。
勿論、必要に応じて取り外す事も可能です。
白一色の無機質な天井も一部分にこうした「アクセント」が有ると中々にして面白いものでございます。
真下に入れば一寸した秘密基地の様でございます。
多くの部屋は天井高が2,400mmとなっておりますれば、およそ我々の身長よりも500mm以上の余裕が有るのです。
勿論、全ての天井に設置するのは難がありますが、部屋の一部分のみであれば充分に實用的かと存じます。
限られた面積の中、本來は何も無い筈の空間に物を置けるのでございますから、それだけでかなり部屋としての収納力が増すのであります。
製作に當たって
材料
竹竿…4本位
棕櫚縄、麻縄等丈夫な紐
割竹材…適量
すだれ…面積分
フック鋲…竹竿の倍の数
1、壁の兩端に等間隔にてフック鋲を取り附ける。
(高さが水平になる様に注意します)
(壁に養生テープ等で目當てを附けておくとやり易いでしょう)
(フック鋲はなるべく強力な物を使いましょう)
そこへ竹竿を壁間の長さに切り、兩端に棕櫚縄等の丈夫な縄で輪を作りフック鋲に掛ける。
同じ物を4本程度拵える。
2、竹竿の上に割竹材を交差させて麻紐等で縛る。
(割竹材は1にて掛けた全部の竹竿を渡せる位の寸法に切り4~6本程を用意します)
(割竹材の代わりに小形輕量のすのこを幾つか用いても代用可能でしょう)
3、2にて竹竿間に渡した割竹材の上にすだれを被せて麻紐等で縛る。
(2をすのこで代用した場合は割愛しても宜しいかと存じます)
以上
これは以前載せた「有ると便利な物干し竿」の記事の応用でございます。
有ると便利な物干し竿 - 一人を楽しむブログ (hatenablog.com)
例によって賃貸住宅での造作でございますれば退去時に撤去する事を前提に製作しております。
この「ロフト」を撤去してもフック鋲の小さな穴しか残らないのです。
フックはシール式の物では經年とともに貼附力が低下して破損の危險性があるだけでなく、糊の痕が残ったり壁紙を剥離する恐れもあるので使いません。
言う迄も無い事ですが重量物を載せる事は想定していませんので、あくまでも細々した物の収納の用途に使います。
また、人が乗る事も以ての外です。
高さの存在
以前に記しましたがお部屋は面積だけでなく高さを有効に活用する事によってその眞価を發揮するのかもしれません。
人が行き來出來、尚且つ物が置ける。
これぞ収納の極意なのかもしれません。
狭い1K部屋に住んでいるものでありますれば、のびのびと部屋を廣く快適に使うには「全ての場所は収納スペース」と云う概念が必要なのかもしれません。