一人暮らしで最も面倒な事の一つに「食事を作る」と云う事があります。
これには多くの人が閉口する事であり、外食や惣菜・辯當の類で濟ませる方も多いと存じます。
忍び寄るジャンクフードの恐怖
なにしろ樂でありますし、特に忙しい時は自然とジャンクフードに引き寄せられてしまうものであります。
また、何かと日々の暮らしが億劫になってくると、そうなるものでありまして、一度ジャンクフードの類に捉えられるとなかなかその惡循環から抜け出せなくなるものであります。
外食・惣菜・辯當の類は食事をする上では全く以って樂な物であり手っ取り早く濟ませられるのでありますが、そればかりを摂取していると、どうなるのかは最早周知の事実であります。
しかし乍ら、そうした物に頼るよりも自炊をした方が圧倒的に安上がりであり、且つ栄養も偏りにくゝなるのも周知の事実であります。
料理を作るのは何かと手間でありますが、だからと言って敬遠し続けるのも宜しくございません。
お料理は出來ないよりも多少なりとも出來た方が絶對に良いのであります。
面倒がらず恐れずに挑戰する価値は存分にございます。
兎に角、火を通して食べてみる
誰も初めから上手く料理が出來る訳が無いのであります。
ただ闇雲に自炊をしようとしても失敗する事が多々ありますが、一つの大原則に則ればあとは經驗から幾らでも上達出來る筈でございます。
その大原則の一つが「ほとんどの食材は火を通せば食べられる」と云う事です。
要は物理的に食材を食べられる状態にするのが自炊の第一歩と存じます。
あとは火の通し方や味付けの要領を得ていけば、お料理は恐るるに足らない事でしょう。
火の通し方には幾つかの方法がございます。即ち…
●フライパンに油を敷いて炒める
●鍋にお湯を沸かして茹でる
●電子レンジで加熱する
●蒸し焼きにする
…等々でございます。
いづれの方法を用ゐても「食材が柔らかくなる」或いは「全体の色が食材の中まで変わる」等の変化が見られる事が火加減の一つの目安かと存じます。
いきなり本格的な物を目指さない
よく料理番組等でお料理の先生方が色々な調理を実践していらっしゃいますが、いきなりそれと同じ様な事をしようとすると難儀であります。
アレはそれなりの設備とそれなりの腕前とそれなりの時間的余裕が有ってこそ成し得る技であり、例外としてお菓子作りや特にこだわって料理を作らない以上は限られた場所や時間そして料理に慣れない内に於いては先ず「コレはこう云う料理なんだ」と云う程度の事だけを知っていれば宜しいかと存じます。
先述の様に火を通して味を附けるだけで簡單な料理は出來ます。
本格的な物を目指さなくても、一工夫する事で更に料理の巾は幾らでも廣がる事が出來ます。
例えば…
●具を油で炒めたところに水を加えて煮込んで味付けをすればスープやカレー、或いは肉じゃがに…
●更にその汁の中へ悟飯を入れる事でリゾットやおじやに…
●具を炒める際にご飯や茹でたスパゲッチを入れゝばオリジナルの炒飯やパスタに…
…と云う訳で、本格的な物を目指さなければ、そう難しく考えずとも先程の「こう云う料理なんだ」と云う概要だけを知っているだけで宜しいのです。
その要領に附きましては、后日別の記事にて何らかの事柄を述べられゝばと思います。
疲れず樂しい料理を目指して
大切なのは「作り方を逐一知る」のではなく「食材が料理になる理屈を知る」事であります。
それには火を通したり味附けをする加減を覚える事と、こうしたらこうなると云う或る種の法則を知る事が肝要でありまして、それさえ判れば、最早料理に臆する事など何も無いのであります。
自分の食事を自分の手で作るのは実はとても樂しい事なのであります。
工夫次第で色々な物が作れる様になるのであります。
そのほとんどが自分に因る自分だけのオリジナル料理になるのであります。
上手くいけば自分の作った料理を人に褒められたりもされる訳であります。
次に作る時はどうしようかと云う創作意欲も湧いてくるのであります。
兎に角、地球人類は食事無くしては生存など出來ないのであります。
それも食事に因って良質な栄養を補給し続けなければならないのであります。
何かと限られた御一人様の日々でありますが、一番この命題を容易に果たしていくには結局一番面倒と思われている自炊が最良の方法と思っているのであります。
嫌気がささず、疲れない程度に、適度に手を抜いて、限られた中で出來る限り工夫を愉しむ事が自炊成功の秘訣と存じます。