一人を楽しむブログ

孤独ならぬ御一人様を愉しむ為の備忘録。

誕生日のプレゼント

實は今日と云う日は私のお生まれあそばした日、これを普遍的な言葉で「誕生日」と言うのであります。

今日と云う日

玄關に飾っているオリヂナルキャラクターの日めくりも年に一度のこの日を示しているのでございます。

 

おかげ様でごく親しい仲間から毎年お祝いのメッセージを戴いておりますが、こう云う存在があると云うのはとても幸せな事であります。

その幸せを噛み締めるのが正しいお誕生日の過ごし方ではなかろうかと存じます。

嬉しかったプレゼント

今年は私の大切な友達から素敵なプレゼントが届きました。

それがこちらです。

滝平二郎先生の画集

これはかの有名な切り繪画家、滝平二郎先生の画集です。

この方のお名前を聞いてピンと來ない方は「モチモチの木の人」と言えば思い出されるかもしれません。

昔から小學校の國語の教科書に載っていたあのお話です。

その挿繪を描いていたのがこの滝平二郎先生なのです。

 

獨特な感じの繪ですが私はこの繪が大好きで昔から色々な作品を見てきました。

人物の描寫も生き生きとしており、その仕草一つ取っても凄く生軆的でミリキ的です。

恰も本當に生きている人がそこに居る様であり、その場面のひと時を切り取った様な繪ばかりです。

そして特に古き良き時代の日本の風情溢れる情景はとても良いものです。

これは人物描寫と合わさって實に日本的な雰囲氣を醸し出しているのでありますが、この繪の場面を見てある種の懐かしさや郷愁、安らぎを感じる事が出來るのは日本人として嬉しい事だと思っております。

何らかの形で受け継がれているもの

勿論、滝平先生の描かれる時代や風景を實際に軆驗した訳ではないのですが、似た様な雰囲氣に触れ合ってきた事は事實です。

子供時代に訪れた田舎の思い出、自由氣儘に旅をした時に見た景色、日常の合間に見た自然の美しさ等、今尚何らかの形でこの繪から讀み取れる日本情緒は存在するのだと思っております。

それを理解して感受出來る事が個人的に幸せと云うものだと思っております。

 

こうしたものは日常の何でもない所にあるのかもしれません。

以前、少しだけお話した事がありましたが、こう云うものに出會う事や氣附く事が心の滋養になるものだと思っております。

hitoria-juvey-ucchiyi.hatenablog.com

この画集の繪は確かに私の生まれる遥か前の昔の日本を描いたものでありますが、今でも日常に見え隠れしているこれら日本情緒を感じる事にお一人様を愉しむ手掛かりがあるのかもしれません。

 

また、日本人特有の感性を活かす事で所謂「もののあわれ」に浸れる、その稀有にして特異な能力を發揮する事は單なる藝術鑑賞の域に留まらない、より充實した日々を送る上での重要な技術だと思っております。

切り繪の世界から

先生の繪は日本的な情景から外国のおとぎ話の世界迄、その作品の巾は廣く見ていて飽きません。まるで小さな世界旅行をしているかの氣分になれます。

切り繪の世界を巡って

その中でも日本の忘れられた景色、今はもう思い出の世界でしかない景色、二度と再び實現出來得ないものばかりですが、この本を開く度に心にその情景が拡がり、そして何らかの形で受け継がれてきた日本の感性が刺激され、不思議な感受性と幸福を感じるのであります。

日本人の心のふるさとがいっぱい

繪を見て何かの浪漫に氣附ける事が良いのだと思います。

私の生まれるずっと前に拡がっていた世界に、見た事も無いがどこかで見た憶えのある様な景色に今こうして思いを馳せているのは浪漫です。

何かと荒廃し無味乾燥として無機質的なものに埋め尽くされつゝある現代社會に疲れたら、またこの繪を見て小さな空想の旅に出られゝばと思っております。

 

以前は遠くの圖書館から取り寄せて時間をかけて借りてこなければならなかった本ですが今では手元にあります。

この素敵なプレゼントを今、とても嬉しく思っているのであります。

ここまで状態の良い物を手に入れるのはとても苦労された事と思います。

本當に良い物を戴きました。

附録もバッチリ!

特に寝る前に幾つかのお氣に入りの繪を見てみると懐かしいあの頃の夢を見られるかの様な氣が致します。

それなりに描いてみて、みんな揃って記念撮影

他人様の繪を自分なりに描いてみるのはとても難しいのですが面白いものです。

尤も、私如きでは先生の足元の1光年手前にも及びませんが、それでも自分なりに描いてみるのです。

背景は借り物ですが、いつかは自分の心の内にある風景を具現化出來れば幸いに存じます。

 

嗚呼、良き誕生日。

今年もこの一日を過ごせて今、とっても幸せなのであります。

誕生日は鰻で一杯

滅多に手に入らない銘柄の日本酒と國産(鹿児島縣産)の鰻で一寸だけ豪華な夕食に。

これまた戴き物の香の物が良き肴になります。

お猪口もまた数年前の誕生日で親友からもらった富士山の形をした錫の盃。

澤山の贈り物に囲まれて…、さあ、今日と云う日に乾杯。

 

 

 

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