節分も過ぎ、愈々暦の上でも令和2年が始まったのであります。
さて昨日の事でありますが、所謂節分と云う事でどこもかしこも「恵方巻」なる太巻き寿司を賣っているのであります。
最近の商業ベースは何にでも「恵方」とこじつけてモノを賣る傾向が有り、或いは何かの一つ覚えの如くやたらと「エホーエホー」と囃し立てるものです。
今年の歳徳神のおわします方位、即ち「恵方」と呼ばれている方位は確かに西南西(西方位寄り)の庚の方角でありまして、そっちを向いて食べると云うのが決まりモンでありますが、そもそも西方位そのものが歳の暗剣殺である事を商業ベースに踊らされている業界のダレも指摘しないので聊か滑稽なものであります。
専門的な事はともかく、俗に「恵方」と呼ばれている方位は今年一年の凶方位でもあるので無暗に用いない方が宜しいかと存じます…。
一応、歳時記なものでして…
商業ベースが作り出した物ではありますが一応季節の物でありますので恵方巻を賈ってその日も晩酌であります。
節分に欠かせない豆も自作の「仙豆の壺」に入れておきます。
こうして見ると中々にして雰囲氣が出ており、食べる度に「コリコリ」と劇中さながらの音が出ます。
ヤジロベーの如く鷲掴みにして沢山食べましょう。
こう云うどうでもいいトコロに力を入れて愉しむのもまた面白いものであります。
「面白き事の無き世を面白くすみなしものは心なりけり」
…この様におっしゃった偉人がおりますが、それは或いはこうして心の有り様に因って日常を愉しむ事ではなかろうかと存じます。
この有名な句を「面白くない世の中をオレが面白くしてやるぜー!」…と勘違いされて読まれている方が多いと伺いましたが非常に残念な事であります。
豆は歳の数だけ食べて、バルコニーの隅に少し撒きました。
一応裏鬼門に當りますので…。
こうした行事を自分なりに愉しむのもまた一興であります。
ところで、この恵方巻ですが「吉方位を向いて食べる」と云うのが前提ですので、わざわざ暗剣殺の方位を向いて食べるのも聊か氣兼ねする次第…。
そこで、歳徳神のいらっしゃる方位にて一口食べてから残りは歳の吉方位を向いて食べる事に致しました。
今年の私の吉方位は南方向の二黒の方角。丁度バルコニーの向きと一緒であります。
但し、この日の南方向は五黄殺にして的殺方位の大凶方………。
…仕方無いね。