一人を楽しむブログ

孤独ならぬ御一人様を愉しむ為の備忘録。

芋が無いと失礼だ

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思わず呟く至福のひととき…。

秋から冬にかけての味覚の一つに大好物の焼き芋が有ります。
これを食べる度に寒い時期の愉しみを思って体だけでなく心も暖かくなるものです。
この暖かな心がお一人様と云う時間をとても樂しくするのであります。

 

以前はよく焼き芋屋の軽トラックや少数派乍らリヤカーが近所まであの独特の音頭を取りやって來たものですが、最近は滅多に現れません。
なんでも「クレェ~ム」と云うのが有ったみたいで。
イマドキの人は余りにも余裕が無く、些細な事にも自分だけの正義を振りかざす者が居ますからね、仕方無いね。

 

…と云う訳で、焼き芋を食べたくなる今日この頃ですが、こんな時こそあの理屈……。

無いんだったら作ればいいじゃん!

…と云う訳で、安く賣っていたサツマイモを賈ってきて自分で作る事に致しました。
一見、面倒な事この上無い様に思えますが、この過程を愉しむ事がとても大事なのであります。

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サツマイモが安く賣っていれば、全てはチャンス!!

手作り焼き芋の派閥

私の作る焼き芋には三つの派閥がございます。
即ち、「新聞紙派」と「銀紙派」と「何も包まない派」であります。
作り方が少々違い、各々に個性がございます。

食べ比べてみても面白いものであります。

 

最后の「何も包まない派」は作るのに途轍もない時間がかかり滅多にやらないので今回は前者二つを作ろうと思います。

(「何も包まない派」は、いづれ機會が有れば作ってみるつもりです…)

 

まずはどちらの派閥も芋を水で洗うトコロから始まります。

ガシガシと丁寧に芋を洗いましょう。

新聞紙で包む焼き芋

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芋の表面が濡れた儘、新聞紙で包みます。

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電子レンヂに入れます。

時々勝手に郵便受けに入っているどこぞの試讀版はこう云う時に重宝します。
そのまま電子レンヂに入れて450ワット(弱出力)で5~10分程度加熱します。

たったのそれだけであります。

電子レンヂは放っておけば勝手に出來上がるので、この間にお茶を淹れたり一寸した附け合わせを用意したりと時間を有効に使えます。

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出來上がりです。

600ワットの強出力で加熱致しますと芋が固くなる事がございます。
じっくりと温めてやるのがコツでございます。
焼き芋と云うよりふかし芋と云った方が適當でありますが、新聞紙のほのかな香りが移っており、中々にして宜しい一品でございます。

 

亡くなった母が昔よく作ってくれた芋がこの作り方でした。

私にとっては懐かしい味なのであります。

銀紙に包む焼き芋

続きまして銀紙派の焼き芋くんです。

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水洗いした芋をアルミ箔で包みます。

銀紙とは所謂「アルミホイル」の事でありまして、水で洗った芋をこのアルミ箔で包みます。
そしてそのまま魚焼きグリルの中へ入れてしまいます。

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お芋くん ギンギラギンに さり氣無く(充兵衛ココロの川柳…)

そして10~20分火を通します。
これは新聞紙派とは違い、實際に火を使いますので火氣に少々注意が必要であります。
尚、我が家のグリルは片面焼きなので頃合いを見計らって芋をひっくり返します。

(概ね上記時間の半分程度を目安とします)

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こちらも出來上がりです。

コレは新聞紙派よりも少々手間でありますが、その分焼き芋の旨味を味わえます。
皮はパリパリ、中はホクホクであります。

焼き芋を 手作り致し あら樂し(充兵衛ココロの川柳…)

この焼き芋、新聞紙や銀紙を添えて出すとより一層風情が感じられます。
單に焼き芋を食べるだけよりもこうした演出が有ると愉しめるものであります。

 

ずっと昔、私がまだ幼い頃、焼き芋屋の録音音声ではなくチリンチリンと鐘を鳴らし乍ら無言でリヤカーを牽いてやってきたご年配の焼き芋屋さんの事を思い出しました。

私は本當に焼き芋が好きなのであります。

いづれは焼き芋のパンでも作れる様に「強くなりたい!」と思う今日この頃であります。

 

或る冷たくも暖かい日、この素敵な風情を投げかけてくれる冬と云う季節に對して思うのであります。

 

「芋が無いと失礼だ」…と。