はや七草も過ぎぬれば今年も鏡開きの日がやってきました。
つい先日迄、年の瀬だの正月だのとやっておりましたが、こうして見ると一年は刻々と過ぎ行くのであります。
正月に僅かに残った栗きんとんと一緒にお鏡餅はお汁粉になったのでありました。
一年のこうした行事はたとえさゝやかであっても一応行っては愉しむのが日々を樂しく暮らすコツでもあるかと存じます。
お氣に入りの汽車土瓶で渋くて熱いお茶を淹れゝばそれは至福のひと時であります。
勿論、冬の風物詩でもある蜜柑もお忘れ無く…。
今年の年賀状
私は毎年何か変わった年賀状を作ってはごく親しい友人に送っているのです。
↑去年の年賀状はこんな感じでした。
はや鏡開きも濟みますれば一寸正月を思い出す今日この頃でありますが、そろそろお年玉くじの發表も始まる頃合いだと思っているのでございます。
こう云うものは煩わしいと思ってしまうとツマラナイのでありますが、自分なりに何らかを樂しんでやってみるとやはり面白いのでございます。
娯楽とはこうして見つけては樂しんだ者の勝ちでございます。
さて、そんな訳で今年は寅年と云う訳でございまして、やれサガットだの寅さんだの色々と個性的なキャラクターで攻めたのでございますが、今年はそんな年賀状の中にペーパークラフトを仕込んだものを何通か作りました。
紙で樂しむ年賀状
年賀状は送り手の温かいお氣持ちが込めてある物でございますればぞんざいに扱えぬものでありますが、溜まり溜まっていくとそれはそれで紙の束が増えていくだけでございます。
人によっては処分せざると得ない方もいらっしゃるかと存じますので、どうせ捨ててしまうのであればその前に年賀状としてのみならず「紙として」樂しんで戴ければと思った次第でございます。
實は葉書の紙はペーパークラフトには誠に向いている性質でございまして、安物のケント紙よりも良い物が作れるのでございます。
そこで作った年賀状がこちらであります。
葉書で作る紙飛行
見ての通りこれを組み立てると紙飛行機になるのでございます。
昔、某ジブリ映画でこうした紙飛行機を輪ゴムで飛ばすお話がございましたが、あの様な感じの物が出來上がります。
色は各人で自由に塗って樂しんで戴ければと思い、敢えて白無地で印刷しております。
「トラトラトラ」との掛け合いから「九七式艦上攻撃機」とのご指摘がありますが、あくまでも「ソックリさん」です…。
令和4年1月1日を記念しての飛行機なので尾翼にチャッカリと表記しておきます。
これは「量産」に先駆けて普通の葉書で作った「先行量産機」なのですが、裏返すとこうして葉書の部分が見えるところが「チャームポイント」です。
この紙飛行機ですが機首下部のフックに輪ゴムを引っ掛けて射出機の如く飛ばすと(巧くいけば)それなりによく飛びます。
部屋で制式初號機を試驗飛行させた際は窓の外へ飛んで行ってしまった位です。
(後で回収に行きましたが…)
一応は人に差し上げる物なので、やはりそれなりに巧く飛ぶ物を作ろうと思った次第でございまして、これが中々創作意欲をくすぐるものでございました。
これはケント紙で作った試作機で幾度も飛行試驗を繰り返した為、所々継ぎ接ぎだらけなのでありますが、機首の重りの量や胴軆の長さ、尾翼の大きさ等を調整し乍ら試行錯誤をして出來上がった紙飛行機なのです。
製作に當たっては色々と上手くいかぬ点が多々ございましたが、こうした課題を考え乍ら解決していくのは或いはとても樂しい事でありまして、知的好奇心や探求心が非常に満たされるのでございます。
そして何と言っても上手く解決した時の達成感は格別でございます。
尚、私はれっきとした文系出身でございまして、飛行力學等の専門知識など持ち合わせておりません。
昔、駄菓子屋で賈った「ソフトグライダー」を思い出して作っていた位に勘頼みの作業でした。
しかし乍ら、どんなものでも何かしら趣味でのこうした時間は人生を豊かにする力に変えていく事が出來るのではなかろうかと存じます。
作る愉しみ
今は何でも答えと完成品ばかりが溢れ返っている世の中でありますればこうして一から何かを考え乍ら製作する事は或いは貴重な經驗となりつゝあるのではなかろうかと存じます。
またこうした經驗が不足してきますと、何かと物事がツマラナクなってくる嫌いもございます。
この紙飛行機は差し上げる方の運氣上昇や飛躍を祈念しての物でございます。
何かと沈痛な物事が多い昨今でございますが、この紙飛行機の如く大空に邁進して戴ければ幸いに存じます。
尚、お年玉くじの當選の前に葉書を切り刻むと當選が無効になる恐れがあるので、もし作られる方がいらっしゃったらお氣を附け戴ければと思っております。
今年は何枚の年賀状が當たっているか…。餅を喰いつゝ、今から樂しみであります。