今日は段々に冷え込み、遂には小雪の舞う一日となりました。
私の住んでいる地域では雪は珍しいので、たったこれだけの事でも特別な事なのであります。
然してカーテンを閉め、暖房を焚かずに……
こう云う日だからこそカーテンは開け、窓も全開にします!
折角雪が降ったのですから、それをみすみす見逃す手は有りません。
大いに愉しもうではありませんか!
日常に舞い込む非日常を見逃さず
早速、雪見酒の準備をするのでありました。
昨今の傳染病の影響で終業が早くなっているので、こう云う時にこそ愉しみたいものであります。
こうした豪華な椅子に座って降りしきる雪を眺め乍ら呑む熱燗は絶品であります。
部屋のエアコンでは効果が薄いので足元に温風器を設置しております。
グランクラスのスリッパもお忘れ無く…。
余談ですがこのソファー、私の生まれる何年も前から實家に在った物で、いつの間にか祖父の家に引き取られた後に処分されそうになったのを私が貰い受けた物です。
かなり年季の入った品物なのですが、それだけに座り心地は抜群であります。
今では「玉座」と呼ばれております。
こう云う時は冬の冷たい空氣が何とも心地良くさせてくれます。
勿論、物理的には部屋を閉め切った方が温かいのでありますが先の記事に有る通り、こうしてこそ「ホクホクと温かなひと時」を愉しめるのです。
しんしんと止めど無く綿毛の如く舞い降りる雪はどこか心に安らぎをもたらしてくれる様な氣が致します。
何氣無い降雪と云う出來事でありましたが、それを受け流してしまうのではなくこう云う時にこそ、それを活かした何かを思い附いて愉しみたいものです。
樂しい事を見てみましょう。
昨今、鳥渡世間に目を向ければ厭な事ばかりです。
何もしなくても憤りを感じる事は非常に多い憂き世であります。
そう云うものは目立つのです。
しかし、そればかりに目を向けていても面白くも何ともありません。
それらと同じくして樂しい事もまた身近なところにふと在るものであります。
身の廻りに無いと思うのは余りにもつまらない事だらけで、それに氣附かないだけなのかもしれません。
何か樂しい事を見ようとしなければ見逃してしまう愉しみは存外多いのであります。
否、寧ろ樂しさとは目立たないものの方が多いのだと思います。
こう云うものを察知し、愉しむ機會を見逃さない事が一人を愉しむ上でも重要になってくるのでありましょう。
そんな事を改めて教えてくれそうな雪見酒でございました。
酒を呑まないのであれば珈琲やお茶等のお氣に入りの温かい飲み物と一寸したお茶請けが有ればそれだけで充分です。
ほんの少しの準備だけで心温まる樂しい時間をいつでも過ごせるのです。
何も特殊な事は要りません。
日常のふとした事を愉しむのは、まず何よりも氣附きが大切なのであります。
世の中の問題に向き合い續けるのはとても大事なのでありますが、こうして日々當たり前の如く在る愉しみに向き合う事もまた必要なのであります。
日本人は古の時代より時節の風情を愉しむと云う事を割と巧く行って參りました。
これはとても素晴らしい事だと思います。
現代社會に於いても是非實践すべきなのではないでしょうか…。