今日から連休と云う方も多い事と存じます。
残念乍ら私はそうはいかず、今日も仕事であります。
しかしこれも水曜日迄に全部片附けられなかった私の落ち度。
…仕方無いね。
さて、そんな日は悠長に食事を作っていられないので簡單に出來る物を拵えるのが常であります。
それでいてなるべく外食に頼らないのが私の流儀であります。
…お金はこうして残るものであります。
そこで作ったのがこの食事。
一部で有名な「ハチクマライス」(またの名を「ハチクマ丼」)であります。
これはかつて國鐵の食堂車従業員の賄い飯であったと言われている一品であります。
簡單に申し上げればご飯の上にハンバーグやら刻みキャベツやら漬け物やら目玉焼きが乗っている物であります。
但し、この料理に明確なレシピ等は存在せず、所に依ればハンバーグではなく唐揚げであったりカツレツであったりチキンソテーであったりとまちまちであります。
忙しい日の強い味方
いづれにしてもすぐに料理が出來て後片付けもドンブリ1つなので簡單です。
ご飯、おかず、副菜とを素早く食べられておなかも膨れる。眞に合理的な献立であります。
ハンバーグは湯煎で温めるレトルト食品、刻みキャベツも出來合いの物ですが、こう云う日は妥協します。
その代わり目玉焼きと漬け物は手作りです。
國鐵の食堂車従業員の方々はかなりの激務であったと伺っております。
極端な話ですが、10数輛にも及ぶ編成の特急列車に乗っている乗客が全員でないにしろ、たった1輛の食堂車に押しかけ、やれカレーライスだ和定食だ特別ビーフステーキ定食だと色々に注文してそれを狭く揺れる厨房にて少人数で処理していくのですから想像を絶します。
そんな方々が召し上がったであろう品を私も食するのであります。
それでも愉しみを忘れずに…
でも、折角のハチクマライスなので例によって食堂車氣分で動画を視ながら食べます。
動画は勿論、國鐵形特急列車の車窓。
箸は驛辯に附属していた物を使っております。
お茶もポリ茶瓶で戴きます。
ほんの数十分ですが、食事は榮養の摂取のみならず心の癒しも適うべきものであると考えております。
少なくとも薄暗い部屋でファストフードをかじるものよりもずっと建設的であります。
ほんの少しの工夫と氣持ちの持ち様で限られた時間と空間でも、にわかに愉しみは湧いて出てくるものでございます。
日々の食事を如何にか愉しまんとする事が毎日を樂しくする秘訣かもしれません。
このポリ茶瓶、秋田縣某所にて宿泊の際に購入せし物でありますが、コレで淹れるお茶には旅の香りがするのであります。
傳染病さえなければ、私も今頃旅の空……。
そんな氣持ちに少々の旅情と郷愁を感じ、忙しい乍らも愉しい食事を戴くのでありました。