お題「#おうち時間」
緊急事態宣言とは即ち、緊急の事態である事を宣言する事です。
然して、こう云う状態に於いて普段通りの生活が當たり前に出來る筈が無いのであります。
何と言っても「緊急事態」なのでありますから、子供の如き我儘は厳に慎む事が肝要かと存じます。
何事も憚りを以って生きる事を旨としてゐるのであります。
さて、そんな中でありますれば個人の勝手な都合で呑みに行くのも當分は難しそうなのでその分の樂しみも減ってしまいます………
……と云う事も無く、その辺は色々と工夫する事に拠り充分に埋め合わせを出來るのであります。
出來ぬ出來ぬと
言うは易いが
そこで手を打つ
カッコよさ
…充兵衛ココロの都々逸。
今夜も呑みに行こう!
…と云う訳で自分の部屋に細工を致しました。
氣分だけでも上々、席料もサービス料も要りません。おまけに自分の好みの酒が全て呑み放題でございます。
實は以前より自分だけのホームバーに憧れており、賃貸部屋に住んでいる事も考慮して色々とやっておりました。
親しい友人はこの部屋の事を「BAR Duck」と呼びます。
つまりフリーザの如き強大な退屈に「たった一人」で立ち向かうべく在るバーなので「バーダック」なのです。
酒は好きな物を賈い揃えられます。
肴は自分で用意しなければなりませんが、それはそれで愉しいので苦になりません。
ここでしか樂しめないオリジナルメニューが多数有るのでございます。
鳥渡部屋を飾り附けするだけでとても愉しい雰囲氣の中で酒を呑める訳であります。
折角の晩酌ですし、外に呑みに行くのが難しければ自宅で工夫すれば良いのであります。
部屋を暗くして洋樂の歌やジャズを流せば、そこはもう自分だけの貸切バーなのであります。
時々、昭和歌謡曲や民謡なんかを流して居酒屋の様にもなります。
自分の好きな酒、料理、そして音樂…。それはそれはとても贅沢な空間なのであります。
尚、昼間はバーではなく喫茶店の様に使っております。
普段の食事もこうして摂ると面白いものでございます。
ショパンのノクターン等を流すとより一層氣分が出ます。
手造りBARの作り方
至って簡單であります。
要は机と椅子が有り、酒を集めて綺麗に並べて細々した飾り附けをすれば良いのであります。
好きな物を好きな様に飾り立ててみましょう。
部屋の照明は暗くすると雰囲氣が出ます。
酒のポスターや各種貼り紙も雰囲氣を盛り上げる格好の「アイテム」であります。
今は「パーソナルコンピューター」と云う機械のおかげで幾らでもこの手の物が刷れるので便利なものです。
尚、「バー」をするに當たっては机が必要でありますが、私は部屋の規模の都合上机が無いので物干し竿とベニヤ板を使って即席で造りました。
その製作法の詳しくはまた後日お話し出來ればと存じます。
即席BARのミリキ
この「バー」の最大の特徴は必要に応じて拡大・縮小が出來、最終的には全て撤去する事が出來る上に再設置も可能な点であります。
使用する資材も「BARを閉店中」は別の用途に流用出來、収納も小さく収める事が出來ます。
これは1Kの賃貸部屋に住んでいる都合上こうなってゐるのでありまして、私は定期的にこうした「即席BAR」を作っては愉しんでゐるのであります。
時期に依って部屋を囲炉裏の有る和室にしたりバーカウンターの有る洋間にしたりと日々の生活に変化が有った方が面白い身の上であります。
これまでも色々と部屋に細工をしてきましたが、いづれにしても全て原状を傷めずに取外し可能且つ収納をコンパクトにする事が肝要であります。
限られた中にこそ有る愉しみ
以前でしたら地元は勿論、神田のバーや人形町、門前仲町、浅草の呑み屋にしばしば出掛けたものでありますが、それが難しくなったからと言って不平を言うのではなく、どうしたらその代わりとなるものを得られるかを考えた方が愉しいのであります。
何かと限られた中で工夫する事が一人を愉しむ上でも大事なのであります。